百合ヶ浜より 堺さゆり様

2011年2月7日 | 開発室より

……は?
自己紹介、なんてしなくちゃいけないんですか?























そうですか……、わかりました。

何ですか、その顔は。
嫌だと言ったところで、どうせ聞き入れてはくれないのでしょう?
なら、さっさと済ませた方が得策というもの。
……わたし、何か間違ったこと言っていますか?

蕾ヶ崎高等看護学院3年、堺さゆりです。
現在、休学中なので、3年って言ってもいいのか
わからないんですけどね。
そもそも、復学できるかどうかもわかりませんし。

帝都大学医学部付属病院のベッドの空きがなくて、
仕方なく、帝大病院の提携先でもある
地元の百合ヶ浜総合病院に空き待ち入院しています。
帝大病院のベッドが空いたら、すぐにでも転院する予定です。

入院してわかったんですけど、ここの病院って
看護師のレベルが低くて、本当に唖然としました。
特に、わたしの担当看護師の沢井さん。
ありえないくらいレベルが低いんです。

患者の身でこんなこと言うのもおかしいかもしれませんが、
わたしの病気の再生不良性貧血って、
そう頻繁に遭遇できる疾患ではないんだから、
目の前にいる患者さんで勉強させてもらえばいいのに、
わたしの担当看護師はそういうことも考えないみたい。
日々、どうやり過ごそうかということばかり考えているの。
人の命を預かる看護師として、それってどうなの? って思ってしまいます。
あまりに酷いレベルだから、ついキツイことを言ってしまう
わたしも悪いかもしれないんですけど。

……はっ。(嘲笑)
本気で悪いだなんて思っているわけがありませんけどね。
あなた、本音と建前って言葉、ご存じないんですか?

この担当看護師のプリセプターも酷いレベルなんですよね。
ああ、この先輩があってこの後輩なんだなって、いつも思うんです。
これって『類友』ってやつですか?
レベルが低い人間の傍には、レベルの低い人間がいる。
そういう見本ですね。

でも、不思議なことに、ここの主任さんは
学生のわたしが言うのも変なんですが、すごくデキる人なんです。
こんな地方の小さな病院で埋もれるにはもったいないレベル。
もし、わたしの疾患が寛解()して、無事に
看護師になることができたなら、大塚主任の下で働きたいと
思うほどなんです。

……あー、でもそうすると、
あの人たちと一緒の職場で働くことになるんですよね……。
ああ、そう考えると鬱陶しい……。

でも、わたしが入職する頃には、
あの主任さんの勤務姿勢を見習って、ちゃんとした看護師に
なっているかもしれませんよね。
……ま、夢物語だって、自分でもわかってるんですけど。
だって……あの人が……ねぇ? 無理でしょう?(嘲笑)

は?友達?
友達の多い少ないで、人間の質をはかれるものなんですか?
それに、有象無象と仲良くするなんて、時間と労力の無駄です。
そんなくだらないことをするくらいなら
医学書の1冊でも読んでいる方が有意義ですよね。
はぁ(ため息)。

……わたし、自分が間違っているなんて思っていませんから。
わたしの言葉が間違っているというのでしたら、
どこがどう間違っているのか、何がいけないのか、
わたしが納得できるようご説明してくださいませんか。


※寛解:
病気の症状が『治った』ともいえるレベルで安定すること。
ただし、再発する可能性もある状態。
ちなみに、再発しない『治った』は『治癒』といいます。

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